先日ある会合で、こんな話を聞きました。
スピーカーである経営者の方が、
「社員を信じて任せてあげることを十数年続けてきた結果、やる気に満ちた素晴らしい組織を作り上げた」というお話でした。
社員を育てることこそが企業経営の意義であり、社員の成長が無いのであればやっていても仕方ないというその話は正に、コーチングを地で行っていると感じるものでした。
「この社員にはできない」と決め付けた時点でその社員の成長は止まるし、マネージャーである自分の成長も無い。
「この社員がこの状態なのは自分の責任と思えること」がマネージャーの考え方とおっしゃっていました。
スピーカーの話が終わったところでディスカッションタイムに入ったのですが、別の経営者の方から「そういうやり方は理想的だけど、信じたら会社が潰れるような危機が訪れることもある」と、社員を信じることを否定する意見を出しました。
恐らくこの経営者の方は社員を信じたことでかなりの危機を迎えたことがあるのかなと感じるくらい何度も社員を信じるべきではないことを力説されておりました。
ちなみにその社長の会社は社員が数十人いる規模です。
確かに全ての社員に同じように仕事を任せていいかというとそんなことはありません。その社員の現状に見合った仕事を与え、少しずつ成功体験を積ませてあげる事が大事なわけですから、どの仕事をどれくらい与えたらいいのかを判断するのが上司の役目だと思います。
スピーカーの方と反対意見をおっしゃった方。
お二人の話を聞いていて感じたのは、経営者が社員を信じることを諦めた時点でその社員の成長は止まり、結果として企業の発展も止まるのだなということでした。
スピーカーの社長が最後に「社員の成長の結果として会社の発展があるのだから、社員が成長しないなら会社なんか発展しなくていい」とおっしゃっていたのが本当に印象的でしたし、全く同感でした。
経営に答えは無いという点から言えば、どちらの手法をとっても伸びる会社も滅びる会社もあるでしょう。しかし、社員が活き活きと仕事をできるのはどちらかと考えた時、どう社員に関わるべきかが決まってくると思います。
信じて任せても失敗することがあるでしょうし、期待に反して辞めていく社員もいるでしょう。
それを踏まえてどう対応するかが管理職のマネジメント力ではないでしょうか。
そして、もしも自分が社員の立場だったら、信じてくれない管理職の下で気持ちよく働けるのかな、という疑問が沸きました。